フカディオ・ハーン =ギリシャに生まれアイルランドで育ち アメリカ、西インド諸島、日本と放浪した人
小泉八雲 =【知られぬ日本の面影】 【心】 【怪談】など、優れた文才を持つ人
へるんさん =松江に住み 日本人セツを妻とし、やがて帰化する 日本人より日本の心を理解しようとした人
ハーンが実際に松江に住んだ期間は さほど長くは無いが、当時の松江は まだ神々の国であり、
作家として・人としてハーンに大きな影響を与えた場所であろう 今回は松江の旅だ この先はへるんさんで記そう |
月照寺 |
へるんさんお気にのお寺だったそうだ
徳川の時代、代々松江の藩主だった松平家の菩提寺 松江の松平家は明治まで九代続く
自分も寺内を歩いてみて、何よりこの空間の雰囲気が素敵だと思った
歴代の各殿様ごとに、墓碑を中心としたスペースを広く取っている廟なので、今日の天候も手伝い、
墓地といった暗い雰囲気はなく、むしろ晴れた日の山を歩いているような清々しささえある
石畳は律をもって整然と敷かれ、大きな杉の間からの木漏れ日が、その苔むす石畳の翠を
スポットライトのように美しく照らしている
石畳に導かれ辿り着く場所には、各殿様ごとに立派な廊門を構えていた |
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各廊門には手の込んだ木彫りがある 松平家の歴史は良く知らないが、
家紋は勿論、見事な透し彫りや、酒好きだった殿様にはヒョウタンと好いセンスだ
当時からすでに松江は大きな街だが、その中心部から僅かな距離とは思えない静かな杜(もり)だ
ともすれば感情起伏が激しかったと伝えられるへるんさん
心を静めるよう、物思いにふけりながら散歩した姿を思い描く |
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『お前か!』
《松平家の六代目藩主は、亀が好きだった 藩主を偲んで造られた
大亀の石像は、当然この月照寺の廟に置かれた
ところが、この大亀 夜になると本堂横にある蓮池の水を飲んだり、
しまいには城下で 人を食らうようになった
困り果てた住職が大亀に問うと、大亀は「自分でもこの奇行を
止められぬ 貴方にお任せいたす」と涙ながらに懺悔する
住職は、亡くなった藩主の功績を石碑に彫り込み、その石碑を
大亀の背中に背負わせる呪術によって封じ込めた》
へるさんが妻・セツからこの話を聞いた時の興奮は良く判る
碑は寿蔵碑と呼ばれるようになり、今は長寿の願掛けとなっている
ほんとにデカイ亀 人間の頭なんて一口だったろう
でも、『かわいいヤツだ』
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