07庄内 散策 ;楽しきもの
2007/04/13 up
庄内 散策
2007/04/28~30
春山スキーのために訪れた庄内でしたが、
自然・食・文化・温泉 と、里でも楽しみ満載でした
 カタクリの花
月山から庄内平野降りて行くと、いかにも日本の山里農村風景が広がる ここが旧;朝日村(現;鶴岡市)。
村花はカタクリで、有名な【下田沢かたくり園】も同村内にある
が、どちらかと言えば自分の頭の中では『雪解けの山中でひっそりと咲くカタクリ』 どうせなら、野生の姿を観てみたい…
湯田川・正面湯で知り合ったおじさんは朝日村の方だった 『どこかよい場所はありますか?』と尋ねると
ご親切に、余り知られていないカタクリが群生地を教えてくれた
山里民家の横から延びる未舗装の林道を車でしばらく登って行くと、希望どうりのカタクリの群生があった
 《 もののふの八十少女らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花
村人すら滅多に立ち入らない山中 雑木の下で深い青紫色の花をうつむかせるカタクリ  万葉集に詠われたとおりの可憐さだ
料理に使う片栗粉 以前はこのカタクリの根から抽出していたが、現在はジャガイモから抽出する片栗粉ばかりになってしまった
反対に以前、カタクリの根を食す機会があった -根はめちゃくちゃ深い- 焼いた細い根はホクホクして、ほんのり甘かった記憶がある

『そんなにはずかしがるなよ』

カタクリはユリ科の花
帯紫色の模様の葉も特徴です
太古からの神の領域だったのであろう
由緒ある由豆佐売神

由豆佐売神社;湯田川温泉
その参道には乳イチョウと呼ばれる大木が立っている
立派なおっぱいだが、この樹は雄木だそうです
こういったイチョウの瘤は時々見られるそうです
乳イチョウ
湯田川は孟宗筍や、映画たそがれ清兵衛で有名だが、
自分が興味したのは、縄文~アイヌからの歴史
チャシ(アイヌ語で砦)跡の地形に興味する
山の頂部はスキーが楽しめるほど深い雪に覆われていたが、広大な円錐裾の高原に下りて行けば、もうすっかり東北の春山だ
鳥海山にはブナの原生森が
伐採を免れ、残っている
ブナの森は、残雪の白と
フキノトウの黄緑で覆われていた
以前は、里までブナの森だったそうです こぶし咲くあの丘 北国の~♪
山のコブシ
秋田では「コブシの花が上向きに咲くと豊作」と
伝えがあるそうです
あはれなり 山桜
東北日本海側の長く厳しい冬を
乗り越え、花を咲かせるその姿は
たくましく、あはれだ

 庄内 特に鶴岡には明治~大正のモダンな建物が残っています
 鶴岡カトリック教会
ロマネスク様式の聖堂 江戸時の家老屋敷跡地だそうです
1903年(明治36年)完成
この教会は、現在も教会として信者の方々が集う場所でもあり、また観光者にも門を開放してくれる
天主堂の表札を掲げる重厚なお屋敷門、礼拝堂の中に入れば畳敷きの祈りの場だが、
信仰の歴史がそうさせるのか、違和感は感じられない
黒肌のマリア様は今年のクリスマスまで修繕中のため、お会いすることはできなかった
鶴岡城跡には、レトロモダンな建物が集めれ展示されている
大型な建物なので建築的には観ることも多いが、自分の気持ち的には“死んだ建物”なのでイマイチ
1915年(大正四年)完成
大賓館は大正バロック風
1881年(明治十四年)完成
旧西田川郡役所は端整な偽洋風
1884年(明治十七年)完成
旧鶴岡警察所 巧みな和洋折衷
建物の内部は庄内の歴史や民族考を紹介している
東北日本海側は縄文・蝦夷文化の中心地だったので、それらの発掘物などを観るのは面白かった

どことなく南ノ国を連想させる土偶

縄文の声が聞こえてきそう

脳病って? 健脳丸って?
新しい町 鶴岡タウンキャンパスに興味を持つ
慶応大先端生命研究所と東北公益文化大のラボ&キャンパスは
金属やガラスを多様した近代的な建物で、人工的な池を挟んで建つ住宅的なセミナーハウスとレストラン
まだ映画のセットのようで、実験的な街づくりの試みなのかもしれないが、
よく日本の-東北の-気候を考慮したデザインに思え、好感を持った
酒田で見学したかった建築物は山居倉庫(さんきょうそうこ)と相馬楼
庄内は北東南の三方向を険しい山に囲まれ、西は日本海
以前は山形の町へ峠越えするよりも、海路で越に出る方が楽だった
そのため、酒田は古くから港町として栄えた
米処でもある庄内 各地で収穫された米が一旦倉庫に集めれられ、
海路で日本各地に運ばれていった
そういった米穀取引の場のひとつが、この山居倉庫です
倉庫は二重屋根や西側は漆喰壁に隙間を持たせた濃色の板張りなど、
米を大切に保存する構造に工夫がされていて、とても面白い
倉庫は一棟だけ博物館になっているが、他の棟は今も倉庫として現役だ

【山居倉庫西面の並木】
ケヤキ並木は装飾だけでなく
西日を防ぐサンシェードであり、風雪避け

山居倉庫正面
そんな米や海運で一旗あげた人々が乱チキ遊びをしたのが料亭 相馬楼
今は観光用として食事をしながら、舞妓さんの宴舞ショーを楽しめる
建物を外から望むと、当時の色町をかもしだす朱の塀が粋だ
自分が到着した時は、時間が遅く山形舞妓さんには会えなかった 『残念…』

相馬楼

お米・野菜・肉・魚 庄内は素材が旨い
鶴岡タウンキャンパス内、水に浮ぶレストラン 百けん濠(ぼり)でランチする

前菜
季節・地物感に溢れる菜は、筍の皮に包まれて_
右上は庄内地鶏タタキ とても濃い鶏味だ

椀物は海老真薯 春の香り

日本海 海の幸

メインの山伏ポーク
お肉も美味しいが、添えられた素焼きの筍が 『もう最高~』
どれも素材がとびっきりだ そして、その素材の良さを引き出す調理法と味の付け方 『満足です~』
 象潟・道の駅レストランで食べた海鮮丼
庄内は格安で美味しい海の幸にありつける
イカは透明だし、タコなんて〔コリコリ〕の新鮮度
ボリューム満点で、山スキー後の空腹を満たしてくれた
そしてなんといっても、お米が旨い!
帰路に食べた山形ラ-メン 
やや太のストーレート麺はモッチモチ
スープは煮干系だが、ガラ系も混じりサッパリしていて 『結構好みだ』
チャーシューは八角の香りがする本格的な物だったし、
煮玉子の黄身も美味しい 『これも庄内地鶏?』
今日の山形は夏日 大汗しながら啜る
東北北部は海が真西にあるので美しい夕陽のポイントが多い


〔じゅっ〕 って音がした酒田北の浜

こちらは湯田浜からの夕陽

『イイ波じゃん』
象潟から酒田に戻る途中、波乗りポイントがあった
フルスーツにグロ-ブ&ブーツ 寒いんだろうな~
しばらく見物する

詳細は → 海のもの :07特別編 くつかけ

酒田の浜は白浜でした
南に月山、北に鳥海山を望める庄内平野
月山はやや内陸のため、鶴岡の南側からしか望めないようだが、鳥海山は、庄内のほとんどの場所から観る事ができた
達筆な画家が〔しゅっしゅっ〕と筆を走らせたような鳥海山の稜線は何処から観ても趣がある
まだ雪が大量に付いているので、酒田の街から見ると巨大な雲が、いきなり降りてきたようでビックリしたし、山裾を日本海にダイレクトに落としているので、防波堤から白い浜と白い山を一緒に観るコトもできた
山形側からの方が美しい
酒田の海から望む鳥海山
山体崩壊の跡が良く判る
秋田側からの鳥海山

寒河江SAからの月山
今回、春霞で月山を里から写せなかったのが残念だ
山の詳細は → 山のもの :07鳥海山 山スキー
山のもの :07月山 山スキー
鳥海山・月山 共に火山成りの山 『火山あるところ、名湯アリ』
同じ山形でも蔵王は強烈な硫黄の湯だが、庄内は海に近いためか塩系の湯が多い
ざーざー 足湯
湯田川温泉・正面湯
竹久夢二・柳田国男・横光利一など、著名人が数多く来湯した鶴岡の奥座敷;湯田川温泉
月山から鶴岡に向かう山里に在り、白鷺の湯とも呼ばれる温泉町だ
とても小さな温泉町 しかし、1000リットル/分と、日本有数の新湯注入量を誇る純天然掛け流しの温泉
その湯場は多くの温泉マニア必須という
共同温泉である正面湯は神社造りで、小さいがとても堂々とした構えだ
入浴のシステムも、《近所の商店で入浴料(¥200)を支払い鍵を開けてもらう》と面白い
歴史ある湯なので、もっと寂れた湯船を想像していたが、ドアを開けてもらうと意外にもタイル張りの四角い綺麗な湯槽だ
噂どおり湯口からは〔ざーざー〕と湯が流れ込み、浴槽からはもったいないほどに湯が溢れ出ている
さっそく深めの浴槽で浸かってみる 『温泉のさら湯』とは妙な言い方かもしれないが、湯の新鮮を感じる湯だ
無色で硫黄の香りなどはまったく無い
一緒になった旧朝日村のおじさんが、「この湯に入るとリフレッシュ気分だ」とおっしゃていた
その通り、湯上りがスガスガしく気持ちいい 自分も長距離ドライブの疲れが吹き飛んだ
外にある足湯で呑湯してみると、やはりNa味だ ただ自然塩の味なので結構おいしい
日本海を眺めながら
抜群の展望だ
鳥海山で山スキーを楽しみ、象潟(きさかた)に降りてきた
  -象潟は秋田県で、厳密には庄内ではないかも-
道の駅・象潟は、ねむの丘という温泉施設を併設している
GOLD!
ゴージャスゴールドの湯
ココの湯船は4Fにあるので日本海の展望が自慢だ
その気になれば日本海に沈む夕陽を眺めながら湯に
浸かれる  その名も眺海の湯 その湯はナント『金色!?』
最初は浴槽の底の色と思ったが、手に掬ってみても確かに
金色だ
ここも塩系の湯だ スキーブーツが当たっていた踵がチョットしみる 塩系の湯は傷口に良いそうなので我慢して浸かる
日本海の波を観ているうちに次第にヒリヒリ感もなくなった

月山での山スキー後は、月山志津温泉
目立った看板は掲げられていないが、何件かある宿の多くは日帰り入浴が可能だ
スキー場の駐車場を管理していたおじさんから聞き出した“お勧めの湯場”は旅館;仙台屋さん
  -難しい字体で仙台屋です-
新装したてらしく、とても綺麗な宿&浴槽だ
ヒバ材を多様した浴室は、木の香りが漂い身体の中からもくつろげる
まだ、お昼をまわったばかりなので貸しきり風呂状態だ
源泉は塩分濃度が高すぎるので、少し加水しての掛け流している
   -口に含むと確かに、今回巡った三湯の中で一番塩辛い-
塩系の湯は切り傷の殺菌効果以外にも、アトピーなどの皮膚炎にも効果があるそうだ
二日とも好天だった山スキー 日焼けしたコノ顔にも効くのかな!?

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