楽しきもの ;海のものとも山のものとも
2006/04/02 up    
ひとり花見 -変わるモノ 変わってほしくないモノ 選ぶモノ-
2006/03/31

 用事は予定より早く終った 天気良くこのまま帰るのはおしい 桜を見にブラつこう
両国で電車を降り ちゃんこ横丁を抜け墨田川を渡る
 柳橋 かつての船宿情緒は残るが 柳は短くキレイに刈られ運河に浮かぶ船は屋形船ばかりになった
蔵前の裏通りは今も問屋街 商品はおもちゃが多い
おもちゃといっても流行のそれではなく、駄菓子や祭りで扱う物だ
山積みされたセルロイドのお面や人形達はどこか寂しそうに見える
 吾妻橋に出た 墨田公園口には大勢の花見や遊覧船待ちの人々が溜まっている
人の多さにたじろぎ、公園に入りそびれ吾妻橋を渡る
橋の中ほどから淡々とながれる墨田の川と堤を眺めた
両堤の桜は満開 川にはそれが目当ての人を満載した遊覧線や水上バスばかりが行き交う
江戸の時代には物流の要の地 自分が幼い時分でも まだ貨物船がよく行き交っていた記憶がある
しかし物の流れは堤の真上を走る首都高、今いる橋の上で信号待ちしているトラックに変わったのだ
京成スカイライナーが鉄橋を渡る そう、この線路の先の海外にも


 墨田区側の堤を歩く 
よくわからない勝海舟の銅像の後ろに新しい区役所が完成していた
隣がビールジョッキならこちらは細長いカクテルグラスか
桜の下にはテキヤもあるのだが、目立つのは町内会の茶屋(というか宴会システム)
下町の人情POWERは熱い
 外国の観光客もちらほら 桜並木を見上げその美しさに見とれている
ニホンジンよりよっぽど情緒がわかるように見える なんとなくうれしく思い記念写真を撮ってあげる
『日本の花見 外国の人達にはどう映るのかしら?』 good-byしてから思う
 Flower-picnic?  WABI-SABI? 酒を飲んで騒いでいるだけ?
でも、他国の祭りやイベントを見ても日本人には良くわからないモノは沢山あるものね


新 墨田区役所
 桜橋でUターン 今度は浅草側を歩く
途中で【サツマイモまんまスティック】と缶コーヒーを買いコンクリートの堤の上に座る
イモをカジリながら桜と川と人を観る
台東区側の堤は薄ピンク色の桜並木と川岸のテラス公園が管理された清潔さを保っている
墨田区側も桜並木なのだが、その下のテラス部にはブルーシートのホームレスハウスが立ち並ぶ
区政の違いかよくわからないが浅草側には一軒もない
花見を楽しむ人々は暖かそうなコートを着込み、連れの人々と笑いながら過ごしている
 『自分はどちら側の人間なのだろう』
[ポン・ポン・ポン]めずらしくタグボートが川の中央を自分の何倍もある貨物船を引きながら海に下っている
【指定危険物】と貨物に表示されていた
やがて新東京タワーが完成すればこの辺もまた変わるだろう
『変わるモノは変わっていけばいいさ』 タグボートが残した白い波が消えてゆくのを見る

大きいサツマイモ1/2分
 吾妻橋までは戻らず途中から浅草寺を横断する 仲見世通りはおのぼり外人がわんさかだ
その半数は大陸系からの観光客のようだ 境内でおみくじをひいている
「Your very lucky day... You can spend a so-so day..」 (なんでdayなんだ?)
はとバスのガイドさんが子供におみくじクッキーを読み上げる親のようだ
花やしきの横をすり抜け、かっぱ橋道具街でウインドショッピングを楽しみ
入谷・下谷の下町を歩きながら上野の山へ向かう
 東京下町 建物は現代風になってしまったけれども、それでもどこか懐かしさが残る
くらべ、最近の地方都市はドコに行っても同じ
駅前もしくは国道沿いに大型チェーンの店舗が立ち並び、地元の商店はシャッターを閉めざるをえない
生活する方にとっては便利かもしれないが、旅する者にとっては画一的でつまらない街に感じてしまう
何処にいるのか解らなくなる時さえある 数少ない地元らしい場所は観光客用になっている
でも都内下町は違う  人口の多さ、土地の価格、車の不便さが幸いしてか
『こんなお店やっていけるの?』という個人のお店が凛と営んでいる
裏路地迷路に入り込めば 狭い道には子供がロウ石で描いた線路 その線路を猫が走り抜ける
『変わってほしくないモノもある』

仲見世通り
六本木と中華街を
足して2で割った状態
 鶯坂の陸橋を渡り上野のお山に入る (花見にはぴったりの名の道だ)
動物園前からの桜並木 『うん。 此処は確かに絵的に綺麗だ』
たわわに咲く両脇のソメイヨシノが歩道の中央で交差する桜のトンネル
その下ではすでに宴会が始まっているが ひとり花見は立ち止まらない

 不忍池に降りていくとほとりで小規模のノミの市を開いている
【ノミの市での自分のルール】
骨董や希少価値はよくわからないから 『自分が気にいった物を疑わず選ぶ』 (おサイフを見ながら)
理屈や知識は必要ない
今回 ひとめ惚れした物があったので 値段交渉して手に入れた

  どの桜がお好みですか?

【ヤマザクラ】

紅の葉に白い花

【ヨウコウ】

桃色の花

【オオシマサクラ】
緑の芯部 真白の花

ひとめ惚れ
黒檀蛙と金蛙
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